top of page

​ご挨拶

掌跡多汗症をご存知でしょうか?手の平に常に汗をかく病気で、足裏も同時に汗をかくことが多いです。
特に手の平の汗は、子供の頃から本人が気付いていることが多く、私もその1人でした。
私は現在40代で、私の幼少期は手汗がまだ病気となっていなかった為、体質と諦めて今まで生活してくるしかありませんでした。
しかし常に手が濡れている、というのは本当に大変なもので思い返せば毎日苦労と努力と知恵と工夫の40年だったなあ、と思います。

手の平や足の裏の汗は他の人に悟られないように隠せてしまう、恥ずかしくて本人が隠してしまう事から、サイレントハンディキャップと言われています。
その為、多汗症でない人たちへの理解は進まず、病気の認知度が低く、家族さえ理解してくれず幼少期から悩む子も多いようです。

掌跡多汗症の存在を広めて、子供の時から悩むことなく過ごせる世の中を作っていきたいと思い、今回子どもたち向けのパンフレットを作らせていただきました。
悩んでいたら皮膚科に行ってみてください。
手汗足汗の皆様が、少しでも快適に毎日が送れますようにと願っています。

さいごに、ご監修いただきました皮膚科医の藤本先生、イラストを描いてくださったちーさん、一緒にパンフレットを作成してくれたメンバー、Twitterでアンケートに答えてくださった皆様、その他私の相談にのってくださった皆様、ご協力本当にありがとうございました。


代表 黒澤希

メンバーからのメッセージ

スタッフ紹介画像 2

​ゆで

私は手から汗がたくさん出ます。小学一年生の秋からずっとです。大人になった今も同じように困っています。はじめは汗かきだし、暑いから手に汗が出ると思っていました。小学三年生の時、ほかの人は手に汗をかかないことを知りました。手は何をする時も使うので、本当に困りました。

 手に汗が出ていても、ほとんどのことはできました。でも、そのほとんどのことは汗のせいで『何か』困りました。
 例えば、ノートを書く時は、汗が紙をぬらしてサラサラと書けません。まちがえて消そうとすると紙がやぶけてしまいます。赤えんぴつは色がノートにつかないし、ペンをつかうとにじみます。そして、ノートに書いた文字や図が手の後ろにコピーされ、汗と混ざって次の行や空白のページを汚します。
 
 ノートを書くだけで、こんな『何か』に困らされていました。それでもノートを書くことは、自分だけの困りごとでした。書きづらい、書いたものが読みづらいことはあっても、手の下にハンカチをしけばうまく書けるのです。このように工夫をすれば、のりこえられることもあります。

 では、一番何に困ったでしょうか。
私にとって、それは手をつなぐことでした。
 遠足や運動会、キャンプファイヤーなど、学校の行事では本当によく手をつなぎます。みんなで何か楽しいことをする時は心がワクワクしますが、私は『手をつなぐかも』という予感がすると、一気に心がザワザワしました。手をつないだ時に汗が出ないか、途中で汗が出始めないか、友達がいやな顔しないか、汗をからかわれないか、汚いと思われないか、そんなことを考えてしまうからです。そして、どうしたら手をつながずにすむか、どうしたらバレないか、もしバレてしまったらどうやってごまかそうか考えなから、汗が出ないようにいのっていました。でも、悲しい事に汗はいつも出たのです。

 もしキャンプファイヤーの時に、みんなで好きな色の手袋をつけて手をつなげたら、多汗症の子はどんなに楽になるでしょうか。こんなことをふと思ったりします。
 小さな提案で、誰にでも思いつくようなアイデアです。変えられない理由は何もないのに、なぜ誰も提案しなかったのでしょうか。それは多汗症を先生も知らないし、そんなに手をつなぐことが大変なことだと普通の人は思えないからです。
 時代は変わっても、多汗症の子供達の困りごとは同じところにあります。汗で困った子供だったからこそ、分かってあげられることやお手伝いできることがあるように思います。

1634342976706.jpg

副代表 雄川亜由美

🍀手術はせずにまずは皮膚科を受診して治療を🍀

手汗と検索していくと手汗を止める治療のひとつに、ETS手術にぶちあたると思います。

手汗をとめるなんて✨✨魔法のような手術に思えますよね…でも、ちょっと待って…

ETS(胸腔鏡下交感神経切除)手術とは…簡単に言うと腋の下を1cm切開して、交感神経を焼き切り、手汗を止めるというものです。

私は平成15年にその手術を受け
…様々な副反応が年数をかけて少しずつ酷くなり、生活、生きていくのが困難になりました。

手汗がとまる魔法のような手術…見つけた時…私は嬉しくて泣きました。それだけ、手汗で悩み生きづらかったからです。

まさか、自殺をするほどに苦しんでいる人がいるような副反応が起きるなんて…思いもしなかった。

手術前に、医師から副反応の説明はきちんとありました。そのひとつである代償性発汗は手汗を止めた分、体幹に汗をかくよというものでした。

代償性発汗は想像を絶するものでした。
滴り落ちるほど、股下、腋の下、体幹に汗をかきます。
汗で濡れて色が変わってしまう為、おしゃれをする事は出来ません。
お漏らししちゃったんでは?というくらい股下に汗をかきます。
外出先では座る事は不可能ですし、家の中でも、何回も着替えなくてはなりません。

神経を切るというのは恐ろしい事で…元に戻せないということを知ってほしいです。(リバーサル手術がありますが、完全とはいえません)

手術を受けてから、手汗は止まり、数年快適な日々を過ごしました。
今は外出する事も困難な状態になっています。

手汗で悩んでいる方に試してもらいたい治療法がたくさん出ています。
多汗症は注目されつつあり、研究も薬の開発も進んでいる様子なので、ETS手術は最終手段と考えて、他の方法を試してください。

🍀手掌多汗症の治療であるETS手術は生きるのが困難になる可能性がある為、受けないでほしいと思っています。切った神経は戻せないのです🍀

まずは、悩んでいる子達が日々の生活を対処して、少しでも生きやすくなるように…。
自分だけじゃないんだと知る事が出来るように、周知活動をはじめました。

ETS手術を受けて

🍀代償を伴う魔法のような手術ETSを受けての後悔🍀

私がETS手術を受けたのは平成15年今から18年前です。

3人目の子が、2歳になる時で、長年悩んでいた手汗、脇汗が止まると思い受けました。

手汗に気づいたのは幼い頃…5歳だったと思います。母と手を繋ぐのに、ガーゼをはさんでいました。

手汗は不便でしたが、それなりに対処して生きてきました。結婚もし、出産後…家にいながらもボタボタたれる手汗、抱っこした子どもは濡れてしまうし、お砂場で我が子がママどうぞーと私の手のひらにくれる砂も、泥に変わってしまう…子どもの頬を撫でる事も出来ない。

手汗さえなければ…

そんな中、主人の厚生年金の保険誌でETS手術を見つけました。
手掌多汗症という病気もはじめて知りましたし、周りにもいなかった。
知らなかった…やっぱり、私の手汗は病気だったんだ。
ちゃんとこうやって、病名がついてるんだ。

大丈夫。代償性発汗、書いてあるけど、大したことなさそうだし…手汗がとまるならと、ETS手術に踏み切りました。

術後、手汗は止まりました。が、腋の汗はすぐに出ていました。
その後…しばらくは、手汗がないことに感動する日々でした。
しかし…段々と、湿気のある日、気温の高い夏、代償性発汗は増えてきました。

代償性発汗で、体幹に汗を大量にかく為、汗で濡れた服を我慢して、子ども達の様々な行事についていくのは、やっとでした。

身体は汗で冷え、疲れ果て、行事の翌日は倒れ込む日々。

今は子ども達も大きくなったので、着替えをリュックに詰め込んで出かけます。
外出先でも何回も着替えます。

汗で濡れた服でいると、冷えて風邪をひいてしまうのです。

手汗は、大変だったけれど…こんな生活になるなら、受けなければよかった。後悔しています。
普通に生活していたかった…という思いです。

1633832026549_edited.jpg

黒澤希

多汗症認知が広がります様に!

私事ですが、数年前に足汗のせいで自宅階段から滑って落ちて、尾骨にヒビが入りました。
多汗症は大人になっても危険がいっぱいの病気ですよね。



実は私がこの自分の手足汗に「多汗症」という病名があると知ったのはほんの7年前の事です。
別件で行った皮膚科の先生についでに相談してみたところ、「自分が知ってる中で1番ひどい」と驚かれ、専門の?イオントフォレーシスという電流を流す機械がある病院を紹介されました。
その治療は週2〜3通わなければならず、家から距離もあったので通わなかったのですが、塩化アルミニウムと漢方を始めました。

性格的に継続しなければならないこの治療法は私には難しく、効果を大きく感じられなかった為、割とすぐに断念。今に至ります。

今年に入って、イオントフォレーシスの機械をサーリオという会社さんから購入しまして自宅でしてみましたが、効果はありました!
が、やはり継続が大事な治療ですので、また今さぼり気味です。

私は「多汗症」という病名がついてなかった時代に手汗で1番大変な若い頃を乗り越えてきました。
なので手汗足汗は若い時や学生時代が1番大変で精神的にも苦労する事を私は知っています。

しかし現在は私の若い時には全くなかった「多汗症は病気である」ということ、「治療法がいくつもある」こと、「これからももっといい薬や治療法が出来るという希望」があります。(私自身も期待しています。)

だから大丈夫だよ!今、悩んでいる若い人や子ども達も悲観しないでほしい。
必ず生きやすくなる時がくると信じてほしい!

「多汗症なんだ」って言えば誰もが「あ〜そうなんだね!」って言って理解してくれる世の中に早くなります様に!
私も微力ではありますが、今後も多汗症を広めていく活動を続けていきたいと思っています。

bottom of page